アロマテラピーは日本において医療とは認められていませんので、アロマテラピー資格は民間資格となります。アロマテラピー資格の取得を目指す女性は、まずそのことを認識されることをお勧めします。つまり、民間資格ですので、高額な資格取得のためのスクール費用を支出しても、そのコストを回収するのはかなり困難です。また、様々なアロマテラピー資格がありますが、アロマテラピーの世界を一歩でると、その資格の認知度や効力は相当低い、という事実があります。
一方で、看護師や医師といった医療者の方が患者を心を和らげる医療とは異なる方法のひとつとしてアロマテラピー資格の取得する、というケースは増えてきています。医療とは矛盾しないアロマテラピーを一般的な知識を広く世間に認知させていくという意味では、アロマテラピー資格は大事な役割を果たしていると言えます。
エステシャンにも国家資格はありませので、アロマテラピー資格と似た事情にあります。ただ、アロマテラピーは趣味の世界でも人気があるので、エステシャンの資格よりは間口がより広くなっています。アロマテラピー資格のなかには、書籍を1週間ほど読めばパスすることが可能なレベルのやさしいものがありますが、エステシャンの資格は基本的に専門学校で1~2年間で学ぶプロのための資格という位置づけになります。
アロマテラピー資格は認定する団体も多く、またそれぞれの団体の認定する資格の種類も多岐にわたります。そのなかで代表的な資格をご紹介します。
公益社団法人 日本アロマ環境協会 Aroma Environment Association of Japan(AEAJ)によるアロマテラピー検定です。アロマテラピー検定1級と2級があります。趣味としてのアロマテラピー知識を身に着けたい女性に人気があり、日本において最も認知度の高いアロマテラピー検定のひとつです。毎年春と秋に試験があり、費用は1級2級それぞれ 6,600円 です。アロマオイルに関する知識を問われる問題が多く出題されます。
問題は簡単ですが、精油をかぎ分ける問題もあり、嗅覚の衰えている年配の方には少し不利かもしれないです(五感のなかで嗅覚は最も早く老化が進むと言われます)。また、1級では17種の香りテストがあり、精油を使った経験のない女性がそれぞれの精油をかぎ分けるのは難しいので、事前に精油の香りになれておく必要があります。
例えば、ユーカリ精油とローズマリー精油はシネオール成分がどちらにも多く含まれますので、慣れていない方だと混同してしまうかもしれませんね。香りに慣れていれば、間違えることもないので、精油に慣れる、というのも検定に合格するうえでは必要となります。*検定合格の前に、そもそもローズマリーとユーカリの香りの違いがわからなければ、アロマテラピーを楽しむのがちょっと難しくなります。
1級で対象になる精油は30種です。そのうち香りテストの対象はローマンカモミールやクラリセージなど 17種です。
アロマテラピー検定を受けるにあたり、準備しておくべきテキストやアロマオイルをご紹介します。
アロマテラピー検定2級の対象精油がセットになっています。一本一本買いそろえると数万円のコストになるところをかなりお安く購入できます。ただ、各瓶にはいっているアロマオイルはごく少量ですので、香りを知るためのサンプルのようなもの、香りテストへの対策と考えたほうがよいでしょう。なお、香りテスト対策でアロマオイルを嗅ぐさいには、一日連続して嗅げるのは3~4本程度まで、としたほうが良いです。嗅覚はたいへん疲れやすいので、それ以上をトライすると、本来の香りを認識できなくなります。
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アロマテラピー検定1級の香りテスト対象精油がセットになっています。1級の香りテストでは2級の香りテスト対象精油も範囲に含まれますので、ご注意ください。エッセンシャルオイルセットAに含まれている精油:クラリセージ、グレープフルーツ、サンダルウッド、イランイラン、ジュニパーベリー、ベルガモット、スイートマジョラム、レモングラス 各1.2ml ネロリ、ローマンカモミール 0.2ml
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日本アロマセラピー学会 Japan Society of Aromatherapy が認定している資格です。セミナー受講とトリートメント実技試験、ケースレポート(合計25回の施術)提出が必要です。費用も最低で95,000円となります。日本アロマセラピー学会関係者以外での認知度は高くないのですが、資格準備の過程でアロマテラピーに関する専門的な知識、トリートメント実技の知識を得ることができます。5年ごとに資格は更新され、実技指導を含むフォローアップセミナー受講が義務となります。
資格取得後は「JSAトリートメントMAS認定医師」「JSAトリートメントMAS認定臨床看護師」といった呼称を使うことが認められます。
NARD JAPAN ナード・アロマテラピー協会認定アロマテラピーースクールでアロマトリートメントの実技などを84時間以上かけて学び、試験合格後、申請によりアロマ・セラピストとして認定されます。アロマトリートメントができること、施術における適切なコンサルテーションができることを大事にうているので、アロマテラピーサロンを開業し、職業としてアロマセラピストを目指す女性の資格取得が多いのが特徴です。費用は認定スクールによって異なりますが、東京メディカルアロマスクールを例にとれば、477,840円(税込)です。
★NARD JAPAN認定アロマ・セラピスト資格の詳細はこちら
日本アロマコーディネーター協会 Japan Aroma Coordinator Associationによるアロマテラピーサロン開業に必要なボディトリートメントの知識・技術を認定する資格です。受験料は 22,000円(税込)ですが、他に指定教材33,000円の購入が必要です。検定合格に必要な準備として、指定講座を受講するなどが一般的ですので、受験料等を含め総費用で20万円程度は必要になると想定しておいたほうが良さそうです。
JAA主任講師の高橋佳璃奈先生による検定制度です。アーユルヴェーディック・アロマセラピーとは、アーユルヴェーダの知恵をベースに、アロマセラピーの方法を融合した健康・美容法で、JAA主任講師の高橋佳璃奈先生のオリジナルな体系となります。アーユルヴェーディックアロマセラピーweb講座の修了者が月2回開催される検定の受検資格を得られます。検定料は11,000円。
国際アロマテラピスト協会 International Federation of Aromatherapistの認定する資格です。アロマテラピー資格のなかで最も高額となり、取得の方法により大きく異なりますが、アロマと調香の総合資格認定校アクトインターナショナルスクールでは160万円程度の費用がかかるようです。
国際プロフェッショナルアロマテラピスト協会 International Federation of Professional Aromatherapistsの認定する国際資格です。英国で学び受検するのが一般的ですが、日本でも自然療法の国際総合学院IMSIにおいて資格受験できるスクールが開講されています。